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◆感想レポート◆ 7/18セミナー開催:小嶋悠紀先生による「気になる子への対応」
2024.9.02
アジルラーニングでは2024年7月18日に無料オンラインセミナーを行いました。
今回は、長年にわたって発達障がいやその特性のある子どもへの支援や保育園・保育士の研修を行い、特別支援教育に関する著書を多数出版なさっている小嶋先生から「気になる子への対応」について実践例を交えご講演いただきました。
弊社では昨年11月より、保育の最新情報や専門知識を学びたい方、また保育の質を高めたい園に向けた、動画配信サービス「週刊ほいはう」を提供しております。
小嶋先生には、この「週刊ほいはう」の中でも『気になる子への接し方』について解説していただいており、今回のオンラインセミナーは、その内容をより深く理解していただくために企画したものです。当初は300名の募集でしたが即時満席となり、400名に増員したところ、増員分もすぐに満席となりました。たくさんのご応募ありがとうございました。
前半の講義はご参加の皆様に実際に声を出していただき、ジェスチャーを交えて「気になる子に対するほめ方や伝え方」を学ぶ、実践的な体験型講座として始まりました。小嶋先生の声のトーンや表情など、動きのある講演で大変わかりやすく有意義な内容となりました。
また、医学的な見地から気になる子どもの「脳」の特性の解説、気になる行動が見られる子どもの動画を用いて様々なケースにおいての具体的な対応のアドバイスがあり、子どもたちが直面する困難を理解し、本質に応じたそれぞれの支援を提供することの重要性の理解にお役立ていただけたのではないでしょうか。
気になる子どもたちの「こだわり・パニック・イライラ」などへの対応に苦労している保育士の方も多いと思うのですが、絵カードやセンサリーツール、外部の有識者の力を取り入れることなど、小嶋先生より「保育士だけが頑張るのではないのですよ。」という目から鱗のメッセージが大変印象的な講演となりました。
後半の45分は質疑応答コーナーを行い、参加者の皆さまから事前に寄せられた沢山のご質問の中からいくつかをピックアップし、具体例を交えながらわかりやすくご回答いただきました。
(質問に対する回答は、当日参加された方限定の特典とさせていただきます。)
クラスでの対応について
▼質問
4・5歳児クラスの園児です。
発言がイエス・ノー以外は泣いて物に当たり感情を表現します。発語はありません。
気持ちが伝わらないと、泣いて騒いで物に当たり、クラスだけでは対応が難しいことがあります。現在は事務所で対応、というかたちで落ち着いてもらっています。
事務所だと普段使えないおもちゃなども使えるので、そこから保育室に戻るのがまた難しいことも多々あります。事務所だと自由にできることも覚えてしまい、今度は事務所に行きたいと保育室で暴れる日も増えてきています。
▼質問
5歳児です。
周りの友達に興味が出てきて関わりたい気持ちは強いのですが、力が強すぎて相手を押し倒してしまいます。なんとかやめさせると、気持ちを押さえられず暴れる…と負の連鎖が起きています。気持ちを受け止め、受け入れてあげたいと思う一方、どこまで受け入れどこからは違うということを伝えていけばよいのか悩んでいます。
▼質問
年長児の担任をしています。
気になる子が増えてきた中で、どこまで集団としての活動を取り入れていくのがよいかを悩んでいます。就学のことを考えると、今のままでよいのだろうかと毎日もんもんと考えながら接しています。
気になる行動について
▼質問
思い通りにならない時に歯を食いしばってプルプル震えることを繰り返し、熱性痙攣を持っている気になる子がいます。適切な対応方法を教えてください。
▼質問
3歳児の会話が難しい子がいます。
こちらの言葉が伝わらない場合、どのような接し方をすれば理解してもらえるでしょうか。
絵カードを使っていたのですが、今は絵カードを嫌がるようになりました。
また、室内をぐるぐる走り回るのですが、本児が走るのをやめて、スムーズに次の行動に移すことができるようになる方法があれば教えてください。
▼質問
入園から1ヶ月経っても緊張や不安からかずっと泣き通しの子が2名います。
リラックスできるよう、抱っこをし、興味があるおもちゃで遊ぶように誘っていますが、少し遊んだら、また何十分も泣いてしまいます。
広いフローリングだと落ち着かないのでは?と気になったので、ソフトマットを出してその上でいつも遊んでいますが、製作やリトミックなどの活動になると片付けなければなりません。すると落ち着かないのか狭い隙間を見つけてそこに数名集まるのですが、ケンカになる事が多いです。どのような環境・対応がよいでしょうか?
癇癪を起す子の対応について
▼質問
癇癪のある子どもへの対応の仕方と、保護者への伝え方・対応の仕方を知りたいです。
▼質問
ADHDのお子さんについて質問です。休み時間から授業への切り替えがうまくできず、終わりだよ。と言うと癇癪を起こし暴れます。(あらかじめ、この時間に終わりだよ。と伝えています。)どのように対応したらよいでしょうか?
保護者の対応について
▼質問
気になる子の保護者が、子どもの気になる行動に対して「躾」として厳しく注意をし、パニックになった時の対応が困難であるように感じ、気になる行動が起きないよう、子どもに気を遣って生活をしています。保育士として保護者とどう向き合っていけばよいでしょうか?
イベント終了後はアンケートにご協力をいただき、ありがとうございました。
参加者の年代は20代~50代と幅広く、中でも40代の方に一番多くご参加いただきました。保育歴は4年~9年が最も多く、今回のオンラインセミナーの内容を多くの方の保育の現場でご活用いただけるよう願っております。
◇ご参加された方の感想を一部、ご紹介させていただきます。
講義の最後に、小嶋先生は以下のようにお声掛けくださいました。
「このようなオンラインセミナーに参加してくださる先生方が数多くいらして、とても心強く思います。発達障がいの子どもたちは先生たちに出会うべくして出会っています。それはどのようなメッセージなのかと考えると、先生がたは、いつもその子どもたちのために沢山工夫なさるじゃないですか、優しくなさるじゃないですか、その優しい工夫は子どもたちのためだけではなく、他の人や社会的な事象についても向けられていると思うのです。つまり、彼らの存在が社会にもっともっと優しい人たちをあふれさせよう。という神様からのメッセージだと思うのです。保育士の皆様のお仕事は本当に過酷であり、報われると感じることが難しいこともあるかと思いますが、私は『人を育み、育てる』という仕事は神様にしか許されない仕事だと思っています。そのような仕事を選んでくださった先生がた皆様と共に日本を明るい方向へもっていこうとしていること、それは誇るべきことだと思います。大変なこともあるかと思いますが子どもたちの将来ために、幸せな社会のために一緒にがんばってまいりましょう。」
改めまして、小嶋先生や参加してくださった皆さま、貴重なお時間をありがとうございました。
【アーカイブ配信】
2024年8月30日に、前半の講義部分のみアーカイブ配信を開始いたしました。
すでに配信中の【シリーズ】専門家が回答!
保育の質問箱⑨ 『気になる子への接し方』
と一緒にご視聴いただくと理解度がさらに深まります。
またオンラインセミナー中にいただいた質問で時間の都合上、お答えできなかった内容は、週刊ほいはうの「保育の質問箱」にて、小嶋先生にご回答いただき、配信しております。
【シリーズ】専門家が回答!
保育の質問箱⑪ 『気になる子への接し方-セミナーでいただいた現場の悩み-』
をご視聴ください。
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